一方で 
「うち、引っ越してアスナと住む(ry」 
もう一方で 
「私たちの敵はおそらく(ry」 
そしてさらに、 
「ふふ、カワイイ魔(ry」 
つまりはまぁそういうことがありました(爆。 
ネギま×HUNTER!第8話『修学旅行珍事件その2〜Chuが貢貰?〜part1』 
「よし、おぉ〜イイなぁおい」 
「いいです」 
「これいいぜぇおい………おい!」 
「はい?」 
「おぅ、風送っていいぜ」 
「いいです」 
「これいいぜぇおい……おい!」 
「はい!」 
「おい!」 
「はい!」 
「これいいぜ!」 
「いいです!」 
「これいいぜ!」 
「いいです!」 
「これいいぜ!ほんといいぜお前!」 
「いいです!」 
「これいいよな!」 
「いいです!」 
「これいいよなほんとに」 
「いいです!」 
「おい!」 
「はい!」 
「おい!」 
「はい!」 
「おい!」 
「はい!」 
「これいいぜ!」 
「いいです!」 
「おい!」 
「はい!」 
「これいいよなほんとに」 
「いいです!」 
「おい!」 
「いいです!」 
「おい!」 
「はい!」 
「おい!」 
「はい!」 
奈良の大仏の周辺をあらゆる角度から取るエヴァと茶々丸。こんな目立つことをしてはどう考えても邪魔である。 
「おまえはもうちょっと普通に撮れんのか」 
「何を言っている!大仏だぞ!奈良の大仏だぞ!あの夢にまで見た大仏が目の前に!くぅ……、茶々丸構えろ!あと20枚は取るぞ!」 
「はいマスター」 
「これいいよな!」 
「いいです!」 
「これいいよなほんとに!」 
「いいです!」 
昨日の夜は再度一悶着あったが、原作と同じ展開になったのではしょらせていただきます(ぉ。 
レンジは参加していません。させるとそれだけで修学旅行編が終ってしまいます。 
というわけで修学旅行2日目のこの日、昨日のテンションをそのまま上乗せしたように元気なエヴァは奈良のありとあらゆるものを写真に納めていた。 
班行動?なにそれ状態である。 
別の場所では甘酸っぱい青春を送っている先生と生徒がいらっしゃるが、原作と同じ展開になるのではしょらせていただきます(ぉ。 
そのオミットされた昨夜の戦闘で一旦退けた影響か、それとも月詠のメガネを回収していないのか、今日は襲う気配はない。 
万が一を考えて刹那が式神を各班に放っているため、レンジはそれぞれの班の中心にいるようにすればいいのだ。 
そうなると当然暇になるので副職のカメラマンを堪能しているのである。 
あぁ、平和って素晴らしい。 
「鹿アル!鍋にすれば何人前になるネ!」 
「いや〜ん、フンがいっぱ〜い」 
「痛!噛まれた!」 
「待って!煎餅はもうない―――うきゃーーー!」 
「ぅおねぇぃちぃやーーん!!!(訳:お姉ちゃん)」 
鹿は調子に乗っていた。 
「奈良の大仏は平安時代に作られたものですが、当時は水銀と金を用いて金箔にしていたそうです。しかしその水銀が蒸発し京の都に広がったため、様々な病が蔓延し」 
『ほうほう』 
こっちも微妙にノリノリである。 
「ねぇ、これを土産として買っていいと思う?」 
「冗談なら許せるけど、それはちょっと……」 
「奈良ならではの御土産って言われたから……。予算も少ないし…」 
女子中学生は『大仏の鼻くそ』を手にとって真剣に悩んでいた。 
さぁレンジ君、もう一度平和だなって言ってくれるかい? 
「やかまっしゃ」 
奈良の観光は無事に終了した。だが平和ではなかったかもしれない。 
なに?終るのが早い? 
いつものことですね(ゴメン 
しかし今回は一味違う。数あるSSでも取り上げられている修学旅行イベント最大の目玉。 
「名づけて『唇争奪!修学旅行でネギ先生アーンドカメラマンとラブラブキッス大作戦!!!』」 
とりあえず事の成り行きだけは説明しておこう。 
麻帆良パパラッチこと『朝倉和美』に魔法使いであること知られたネギは、彼女の野望のために脅された。 
奇跡的にその場を脱出したが、何故かカモは朝倉とコンタクトを取る。 
怪しく笑う2人。何も知らない生徒達。 
そしてカモが計画した『作戦X』とは? 
建物を囲む魔法陣は、ただ静かにその時を待つ。 
ネギま×HUNTER第8話、『唇の想い』 
誓約しろ。そのときお前は本当の念を知る! 
次回予告風にしてみた。(ゴメ 
そういうわけで、なにかとイベント好きな3−Aの面々は豪華商品と賭け、ゴール判定のおもしろさに負け、あっさり朝倉の提案にのった。 
「くくく、うまくいったなブンヤの姉さん」 
「うちのクラスはみんな欲に正直だからね。てゆーかあんたどこに隠れてんの」 
朝倉の胸の谷間から出てくるカモ。服の上からとはいえ羨ましい限りです。 
「ラブラブキッス大作戦とは仮の姿。その実体は、『パクティオーカード大量GET大作戦』さ!!」 
「ほほー、これが豪華商品になるわけね。だったら参加人数を2人にしたのはマズかったわね」 
「いや、多すぎると逆に身動きが取れなくなっちまうぜ?堅実に行こうや」 
下着ドロをしたり頻繁に仮契約をして痛い目を見てる奴が堅実を語る資格はない。 
「それより、なんでカメラマンさんまで参加させたわけ?ネギ先生だけでも食いつき充分じゃん。ていうかあの人も関係者だったの?」 
もちろんネギも含めて本人未承諾である。 
「あの旦那もそうなんだが、どうしても欲しい奴が一人いるんだ。エナ・アスロード……こいつはぜひ欲しい」 
「あの転校生?でもネギとキスしなかったら意味ないんじゃないの?」 
「もちろん抜かりねぇぜ。旅館の四方に書いた魔法陣には『旅館内でキスした力のある男性』って設定してある。これなら兄貴と旦那のどっちと契約してもOKよ。まぁ主導権は兄貴に流れるようちょいっと改造したけど」 
Q:そんなことできるんですか? 
A:このSSではできます。他では知ったこっちゃありません。 
「間違えて他の人と契約しないよな?新田とか違う意味で力がありそうだけど」 
「ちゃんと調べてあるって。旅館内には兄貴と旦那以外に力のある奴はいねぇ」 
瀬流彦先生はオミットされました。 
「カード一枚につき5万オコジョ$もうかるから……うまくいきゃ60万だぜ!」 
「さらに今回は班∩(何故か変換できない)個人の連勝複式トトカルチョも実施するよ!」 
「もーおいしくて笑いが止まんねーってばよーー!」 
夜の共同トイレに怪しげな笑い声が響いたという。 
所変わってネギ達は、旅館の外と中を順番に見回っていた。今しがたアスナと刹那が帰ってきたところである。 
「またお酒ですか?」 
「地酒が目の前にあるのに飲まなくてどうする」 
呆れて溜息をする刹那の前には一升瓶をあけているレンジがいた。もうこの男は駄目な大人の見本になりつつある。エヴァも今頃一人で写真を見ながら飲んでいることだろう。 
「じゃあ次は僕がパトロールに。なんか変な気を感じるんです……あまりここにいないほうがいいような……」 
「カモ君が変な魔法陣を書いてましたが、その影響では?」 
このあとの惨事を考えれば消してくればよかったのだが、犯人が身内だったためそこまでしなかったようだ。 
「こんな夜中にネギがいなくなったら他の先生が騒がない?」 
「まずお前達がいないのに騒がないクラスメートに疑問を抱け」 
「(無視)では身代わりの紙型をお貸ししましょう」 
刹那が人の形に切り抜いた紙束をネギに渡す。 
ちょうどそのとき、異様にハイテンションなしずな先生が襖の向こうから出てきた。 
円ですでにそのことを知っていたレンジは酒を素早く隠す。 
「あら、カメラマンさんもいたんですね?新田先生の許可を取ってきますので、部屋で班ごとの集合写真を撮ってあげてくださいな」 
「今からですか?」 
「あの子達の見張りも兼ねてです。1階のロビーで待っててくださいな。ネギ先生は部屋を出ちゃだめですよーー」 
おほほほと言いながら、しずな先生は足早に去っていった。 
壁際に隠れていたアスナと刹那は安心して緊張を解く。 
「なんか妙にハイテンションじゃなかった?」 
「酒でも飲んだんじゃねーの?」 
「貴方じゃあるまいし……」 
刹那すらにバレない朝倉の変装技術は不二子ちゃん並だった。 
そして準備は整う。 
『修学旅行特別企画!唇争奪!修学旅行でネギ先生アーンドカメラマンとラブラブキ(ry!!』 
SOMY製のテレビに映っているのは各班の代表選手たち。本職の人でも難しそうなテレビの枠付けや監視カメラのハッキングなどは、朝倉の手によるものである。 
彼女はわずか一時間の間に『カメラハッキング』『各部屋へ送信』を成し遂げてしまった。本当に不二子ちゃんみたいなことをするやつである。 
『まずは選手の紹介から!やる気ゼロの千雨選手に対してネギ先生への偏愛と執着が衆知のいいんちょ。現在オッズはナンバー1の1班!』 
『一方バカレンジャーブルー・イエローの2班は体力的に侮れない相手だー!』 
『バスケ部と新体操部期待の星…3班、裕奈とまき絵!安定感のある動きが期待されます!』 
『班の面子ではこれが打倒か!?ご存知鳴滝姉妹!』 
『そして本ゲーム最大の大穴!5班の図書館組、夕映とのどか!』 
『最後に意外性NO1、カメラマンが狙いか?6班エナと茶々丸!』 
「ブホ!!!!」 
最後の班が紹介されたとき、どこかの誰かが酒を吹いた。 
『ルールは簡単。妨害協力ありのバーリトゥードゥ(なんでもあり)。ただし攻撃は枕のみ!教員部屋にいるネギ先生、ロビーにいるカメラマンさんに最初にアタックできるのは誰か!?なおターゲットへの実力行使は容認します!それでは―――』 
朝倉の合図に合わせて 
『ネギ先生アーンドカメラマ(ry、スタート!!』 
各選手達は部屋から飛び出した。 
「…………。…………」 
レンジは言われた通りロビーで待機していた。しかしいくら待っても新田先生どころかしずな先生すら来なかった。 
レンジは何度も放置プレイの可能性を考えた。実はしずな先生は女王様?割りと似合わなくもない。 
だがいくらなんでもそりゃないだろうと、自信のない一人突っ込みをする。しかたなしとして2人を探しに行った。 
そう、彼は酒が入っていたため少し油断していた。襲撃に備えた円を作っていれば、この事態を知ることができただろう。 
彼に近づく弟子と忍者が一組。その顔はすでに獲物を狙う獅子ようだった。 
『お〜っと!?2班のターゲットはカメラマンだったのかー!?これは想定外だー!』 
「え〜、どっちが!?くーふぇ!?楓!?」 
「絶対くーふぇよ!昨日の朝、師父とかなんとか言って挨拶してたもん!」 
「いつのまにー!?………ってあれ?師父って師匠のことよね?」 
「そうなんじゃない?」 
「じゃああの人……くーふぇより強いって事?」 
「…………いや、まさかそれは……」 
チアリーダー3人組に沈黙が流れる。そして、その答えはすぐに知ることとなった。 
角に隠れている古菲と楓はすでに臨戦体勢だった。ターゲットへの多少の実力行使ありというルールに則り、枕ではなく拳である。 
傍にいた楓は古菲の気がここ数日で素晴らしいモノになっていることに疑問をもっていた。限りなく裏に近い自分並に気が充実している。 
修学旅行前にそのことを聞いて帰ってきた答えは「良い師匠に巡り合えたアル!」という至極簡単な物だった。おそらくその師匠とやらは裏に通じているのだろうと思うしかない。 
そしてそれが誰なのかわかったのは、修学旅行当日の朝、古菲が挨拶していたときだった。 
なるほど確かに一般人とは違う何かを持っている。だが雰囲気や仕草は一般人よりやや上――――ちょっと格闘を習っている人程度のものだった。 
とてもじゃないが古菲より強いとは思えない。 
そのことを楓が古菲に聞くと、 
「そういえばワタシ師父と勝負したことないアル!」 
という普通は逆な意見を頂いた。 
ならば試してみよう。幸い腕試し程度ならこのイベントは渡りに船。 
そして今目の前に。 
「勝ー負アルー!」  ←小声です 
「ふぉお!?」    ←何故か小声です 
角から見えるか見えないかという絶妙なタイミングで古菲はレンジに飛び掛った。古菲は当初の目的を忘れて勝負に集中している。 
「っしゃあおら!!」  ←しつこいようですが小声です 
不意打ちにも関わらず、レンジはすぐバック転で避けた。その着地地点に楓は狙いを定めて枕を投げる。 
慌てて枕を叩き落すレンジ。だが次の瞬間、古菲が練の状態で正拳突きを放ってきた。 
しかしレンジは腐っても念使い。常日頃から纏だけはするように心がけている。 
古菲の拳がレンジの腹に突き刺さった。 
「ふぐお!!」     ←芸達者なことに小声です 
まぁ基礎の部分に開きがありすぎるのであまり意味ないのだが。 
「およ?エナならこれぐらい避けて反撃してくるアルよ?」 
「あの…戦闘マシーンと…比べるな」 
ちょっと腹筋が笑っているためセリフに変な切れが入っている。 
レンジは腹を抑えながら古菲達と距離を開けた。 
「お前等外出禁止令はどうした。今新田先生が見回ってるんだぞ?」 
「それを承知でここに来たでござるよ」 
にんにんと呟きながら、楓は落ちている枕を拾った。 
「古菲を育てた師匠がどれほどか興味を持ったのでござるが………」 
「ワタシもエナから、師父は強いって聞いたアルが……」 
「だからって修学旅行中に2対1はありえないだろ、常識的に考えて」 
彼は肝心なことを忘れていた。3−Aに常識は通用しないことを。 
ただ、2人の『期待はずれだよ、つまんねーな』なオーラを感じ取ったレンジは、大人気なく本気を出すことにしたらしい。 
「いいぜ、2人まとめて面倒見てやる」 
その瞬間、レンジはあまり長く使えない『堅』で威嚇した。はっきり言ってはったりである。 
しかし師匠として、やはりこれぐらいは魅せたほうがよいと考えた。 
彼は見栄を張りたい年頃なのです。 
「(本気というだけあって………すごい気迫でござるな)」 
「(さすが師父アル。でもエナのほうがすごかったような……)」 
はったり成功。一人かすかに疑っているようだが、問題ないだろう。 
レンジの気迫に押され、2人はそれぞれ構えた。 
『おーっと!?どうやら主旨を忘れて真っ向勝負するつもりかー!?でもこれはこれで見てみたい!』 
「勝負……な」 
自分の部屋で一人酒を飲むエヴァには、余興にもならない言葉だった。 
あの男の不意を突けたまではよかったのだが、あれだけ接近して戦闘状態になられると、勝つ可能性は『エヴァンゲリオンを動かせる確率』より下回る。 
「コラー、見エネーゾゴ主人」 
チャチャゼロが抗議する。というかザジが同じ部屋にいるというのにやりたい放題だこいつら。 
「………」 
「オ?」 
チャチャゼロの抗議に反応したのか、ザジ・レイニーデイがチャチャゼロを持ってエヴァの対面に座った。 
この娘の物語はまだ書かれていないので正体はわからないが、イラストからみて悪魔とか魔物関係であることは間違いない。 
魔法世界編が終れば見れるかもしれない。夏休み編以降だな。 
「…………飲むか?」 
「……(フルフル)」 
未成年にお酒を薦めるのはやめましょう。 
断られたエヴァは代わりのジュースをザジのコップに傾ける。それと同時に、レンジ達を映していたカメラが砂嵐に見舞われた。 
「(終ったな)」 
砂嵐の原因に心当たりがあるエヴァはそう結論付けた。 
『こ、これは一体どういうことでしょうか!?たった数秒の砂嵐が晴れたら、カメラマンが2人の後ろに!』 
見ている者全員が信じられなかった。名実共に学園最強の古菲と、彼女とタメをはる楓が一瞬で後ろをとられているのだ。 
超能力者とかエスパーとかテレポーターとか(広義的に同じ意味)囁かれているが、唯一彼と仕事をしたことがある龍宮だけは反応が違っていた。 
「(あわよくば力の秘密を見れると思ったが……あの2人でも実力不足というのか……)」 
はい完全に勘違いしてくれてますありがとうございました。 
学園襲撃のとき、龍宮はレンジの能力範囲内に入っていたのでまだ誤魔化されているだけなのだ。 
真実を知ったとき、彼女は絶望するだろう。 
彼の能力は龍宮にとって一番相性が悪いのだから。 
作者は学園祭イベントのとき、どうやって盛り上げようか悩んでいます。 
「降参……でござるよ」 
「アイヤ〜、やっぱりエナの言う通りアルな〜」 
楓はレンジ(の能力)の凄さに肝を抜かれ、古菲はレンジ(の能力)の強さを確認して満足している。 
「まったく。これに懲りたらもう変なことは考えんなよ?何やってんのか知らねぇが、さっさと部屋に戻れ」 
レンジはそう言って2人から手を離した。どうやら今回は見逃してくれるらしい。 
「……………。はぁ…ホント何やってんだか」 
何かを確認するように呟いたあと、レンジはさっさと2階へ赴いた。 
彼の姿がなくなり、古菲達は溜まりに溜まっていた息を緊張と共に吐き出す。 
「お主の師匠は本当に人間でござるか?」 
「うんと答える自信がないアル」 
楓の言いたいことを理解し、古菲の答えの意味をすくう。なまじ実力があるからこそ聞きたいこと、答えたいことが、言葉少なくてもわかるものである。 
「一瞬たりとも油断していない拙者達の脇を通り抜けて背後に回る。ありえぬでござるよ……」 
「それも風一つ、音一つ立てないで。どんな能力か見当もつかないネ」 
「能力?」 
「あ、いやいやこっちの話アル」 
こういうところは、やはり単純馬鹿なのではないだろうか。 
「どうするでござるか?きゃめらまん殿はあきらめてネギ坊主の方に?」 
「このまま負けたままは悔しいアルよ」 
「同感…………では?」 
「せめて一矢報いるアル!」 
「ではもう一度隙を伺って――――!?」 
楓が枕を拾って踵を返す。すると、目の前に枕を振りかぶっているまき絵と裕奈、いいんちょと千雨がいた。 
『隙ありーーー!!』 
『くぁwせdrftgyふじこlp;@:!』 
『おぉっと!?これは意外!戦闘力No1の2班がタコ殴り――あ、もう立て直しました、流石です!』 
「ちょっと、カメラマンの人チョーすごくない?」 
「てゆうかチョーすごいよね」 
「チョベリスゲよね」 
「いや、そんな古代語ないから」 
当時古代言語を言っていた人たちは今頃どうなっているのでしょうか。非常に気になります。 
「あ、見て!カメラマンさんが!」 
チアリーダーの一人が画面を指差す。そこには、誰もが望んで止まないシチュエーションが映っていた。 
一方が手に持っているのは枕ではない。代わりに当たったら痛いで済まされない光弾が浮いている。 
一方は今から戦おうというのに念すら纏っていない。ていうかオーラ自体ない。 
ご存知、エナ・アスロードと絡繰茶々丸その人(形)である。 
「状況を説明してもらおう」 
「GETチューで、豪華商品、アプローチ」 
「おk把握」 
本来ならこんな遊びに付き合うエナではない。だが商品とレンジへのアプローチという一石二鳥ならよいらしい。 
最近古菲の修行ばかりでスキンシップの時間が極端に減り、欲求不満なのかもしれない。 
「というわけで覚ご―――――」 
「こうなるってわかってんだろうに」 
だがはっきり言おう。例えエナでもレンジのクロノスライサーから逃れることは出来ない。 
言語道断で反則なクロノスライサーに当てられ、エナと茶々丸は止まった。 
普通に戦えば、レンジには勝てないのだ。 
しかし、エナはHUNTER×HUNTERの世界で生き、虫キングとの最終決戦に参加した強者の一人である。 
結果がわかっている勝負を普通に挑むわけがない。 
「ぶわ!」 
さっさと拘束しようとして一歩進んだレンジの足元から、突如紫色の煙が噴出した。 
それは『紫弾』。念や魔力を封じるエナの能力の一つだった。 
煙を浴びた瞬間、レンジの周りから円が消える。 
そして能力も解除された。 
タネはこうだ。予め『陰』で見えなくした紫弾をいくつか自分達の前に転がしておく。 
レンジは基本的に能力に頼るのですぐクロノスライサーを使う。 
罠を隠す布石として両手に念弾を出しておくのがミソである。 
「大・成・功!」 
「テメェ、なんてことしやがる!」 
「凝をしわすれたレンジが悪い。大丈夫よ、一日経てば戻ってるはずだから。つ・ま・り」 
エナは両手に黄色い弾を出してニヤリと笑う。 
なぜか茶々丸も駆動音が激しくなった。 
「その酒臭い口を甘酸っぱいレモン味に替えてくれるわ」 
「申し訳ありません。ゲームの主旨なので私も参加させていただきます」 
「観念しなさい。能力のないレンジなんて『核がないサイサリス』と同じなのよ!」 
「謝れ!0083ファンに謝れ!!」 
ならばウィンダム(核仕様)でも可。 
「…………ビットのないヴェルティゴ………」 
「ん?」 
「いえ、なんでもありません」 
はいはい、ガンダム談義はそのへんで終わりにしてください。話が進みません。 
「というわけで改めて……覚悟ーーー!」 
「うひょー!(フラガ風)」 
「失礼します」 
「うひょー!(クロト風)」 
念が使えなければその辺りにいる貧弱な「うひょー!」ボーヤ並の力しかないレンジ。エナの黄弾を辛くも避け、茶々丸のロケット「うひょー!」アームを転がって避ける。 
さて、レンジが逃げ回っている間にさっきに内容を交えて、レンジの最大の弱点をお教えしよう。 
レンジが触れれば能力の効果は解除される。つまりエナが仕掛けたように『対人の罠』がレンジにとって最大の弱点なのだ。 
地雷や落とし穴といった『動かない「うひょー!」攻撃』は時間を遅らせるクロノスライサーの影響を受けない。向こうの世界にいたときは、マチが念糸を蜘蛛の巣のように張り巡らして解除判定を得ることもあった。 
ピアノ線かなにかで代用すれば簡単に「うひょー!」再現可能である。 
しかし、これにはもう一つ重要な要素が必要になる。それは『レンジの実力』だ。 
エナやマチの方法では凝で簡単に見破られてしまう。罠も見る人が見れば簡単に探し出せるだろう。 
もし警戒しているときなら地雷や落「うひょー!」とし穴ぐらい『円』で簡単に見つけられる。 
だが前の世界でも、そして今もレンジは引っかかった。それはなぜか。 
『嵩田レンジの戦う才能は「うひょー!」皆無』。これがビスケの出した答えであった。 
『周』や『流』は覚えられず、果てには『硬』すら持続できる時間が短い。『堅』もせいぜい20分そこらである。 
はっきり言って能力がなければ念使いの中でも貧弱な「うひょー!」ボーヤの称号を得るだろう。 
うひょーうひょーうるせーな。 
とりあえず無視して、ネテロやビスケは語る。だからこそあの能力ではないかと。 
不幸が重なった偶然により手に入れた能力は、あくまで実力ではなく銃や剣のような道具に近い―――いわば『クロノスライサー』を発生させる装置を手に入れただけなのだ。 
当然レンジ自身が強くなったわけではない。だが能力は最強。 
だからレンジは強くなれない。 
才能がなく、本人のやる気がなく、しかし中途半端に念は使える。 
念に詳しい人間は言った。おそらくそれが制約なのだろうと。 
結局、レンジを貶めるのは他ならぬレンジ自身だということだ。しかも彼の場合はそれが顕著に表れる。 
強くなろうとして得た力、結果としてその力のせいで強くなれない。 
皮肉な話としてはありふれたものではないだろうか。 
「ぬぉおおお負けるかぁぁあああ!」 
本人はあまり深く考えてないようだが。これも制約に入るのだろうか。 
「あきらてよね。私が本気を出したらレンジが適うわけないでしょ」 
「ああああ!そのセリフは聞くだけでむかつくーーー!」 
「念使いのくせに念を使えないなんて最低」 
「どこまでそのネタでいくつもりか!―――――あっ!!」 
そのうち『念は人の夢、人の業』とか言いそうである。個人的に「グゥレイト!」が好みですが。 
それはさておき年貢の納め時がきた。レンジは茶々丸のアームに足を掴まれてしまった。 
そのまま手繰り寄せられるレンジ。 
「あんたって人はーーーー!!くそ〜〜こーなったら〜〜〜」 
床に残る爪あとが哀愁を漂わせる。しかし気分はモンスター映画で引きずられていく脇役そのものだった。 
だが、ある種の脇役は自分の身を犠牲にしてでもモンスターの目的を阻止することが許されている。 
それが救いになるか時間の問題かはともかく。 
「マユ…じゃなくて新田先生〜〜!!」 
「あ、情けな!」 
レンジは新田先生を召喚した。 
「悪い子はいねーがー!!!」 
だが現れたのは新田の姿をしたなまはげだった。今しがた戦線離脱した千雨と裕奈を捕獲したらしく、ロビーの階段を駆け上がってくる。 
「ちぃ!分が悪いわ、退くわよ茶々丸!」 
「了解しました」 
催涙弾……のようなものなのなのか、手っ取り早く作った念弾を地面に叩きつけて煙を蔓延させたエナ。 
精製時間の所為か、煙は割りと早く消えた。残ったのは茶々丸のロケットアームのせいで凹んだ床や壁と、エナの黄弾が破裂した跡だった。 
「こ、これは!?」 
現場に現れた新田は怒り心頭といったところだ。なにせこの修理費修繕費は学園が出すのだから。場合によっては来年から別の旅館を手配しなければならなくなる。 
しかもなぜかカメラマンが息を切らせて倒れている。 
『麻帆良中等生、修学旅行中に暴れて旅館を大破。カメラマンも巻き添えに!?』 
一瞬そんな記事が頭を掠めた。 
ダラダラと嫌な汗が額に集まる。 
「た、助かりました新田………あれ?なんで引きずるんですか?なんで人気のない場所に連れて行くんですか!?なんで―――「記憶を無くせぃ!」――おふぅ!」 
新田は監視カメラが届かない場所にレンジを連れ込み、後頭部に容赦のない一撃を当てた。 
白目をむいて倒れるレンジ。もう念使いとは思えない軟弱っぷりだ。 
「麻帆良の平和は……私が護る」 
麻帆良のヒーロー誕生。決して麻帆良『生徒』のヒーローではない。 
嵩田レンジ、不幸が重なり轟沈。ロビーのソファーにて養生する。 
それはさながら、悪魔に捧げられる生贄のように見えたと、ロビーで正座する2人は語った。 
さて、今頃夕映とのどか班は屋根を伝って裏口から侵入している頃だろう。鳴滝姉妹と戦う時間は刻一刻迫っている。 
しかしもう一方は現在進行形でとんでもないことになっていた。 
「ここで会ったが数分ぶりアル」 
「語るは無用。全力で来なさい妹弟子!」 
「では拙者らもやるでござるか」 
「お願いです楓さん。私に撃たせないで下さい」 
これで龍宮と刹那がいれば3−A最強決定戦ができたかもしれないものを……惜しいことをした。 
だがこのSSでは他の世界のようにむやみやたらに主人公に惚れたりしないのです。(人気ダウンフラグ) 
やってしまったものはしょうがないので話を進めよう。 
『(やややや、やべぇカモしれねぇぞ。いくら枕使ってるからってこの面子がポカポカやりあうはずがねぇ……)』 
古菲は原作でも枕越しに普通の膝蹴りを放っていたものである。 
そしてカモの予想は当たる。 
エナと古菲が同時に、纏から練になった。さすがに堅まですると洒落にならないと自覚しているらしい。 
「(エナ殿もでござるか。いやいや、あの御仁は本当に只者ではござらぬな)」 
楓の感想は分からないでもないが、甲賀中忍でその実力なら上忍はいったいどんな化け物なのかと、割りと切実に知りたいと思います。 
類は友を呼ぶ。このシチュエーションは正にその通りだと言わざるを得ない。 
「この前は不覚をとったけど、今度はそうはいかないわよ」 
「ワタシだってあれから修行したアル。負けるつもりはないネ」 
エナと古菲のオーラがさらに膨れ上がった。このままいくと堅まで発展しそうである。 
楓は茶々丸と目をあわせた。いざというときは仲裁しようと。 
軽く頷く茶々丸。 
視線を二人に戻すと、ゴゴゴゴゴな擬音が最高潮に達していた。 
だが 
「キスしていいですか?」 
そこに現れた者が全てを台無しにしてくれた。 
あ〜好き勝手できるって素晴らしい。 
もう全部こういうノリで行こうかなと思います。 
そんな私をヤンデレチックにののしってください。