「いや〜、負けてしま――――おふぅ!?」

舞台から降りて、仲間の下に戻った古菲はデッキブラシで迎えられた。頭頂部という地味に痛い部分を小突かれ、涙目になって患部を押さえる。

「何するアルね刹那!」
「それはこっちの台詞だバカイエロー」

普段は絶対に言わない中傷を交えて、刹那はとても低い声を出す。いかにも「私怒ってます」という気を撒き散らしながら。

「何が起きるかわからないから力を温存しろと言ったな?無茶はするなと言ったな?」
「あぅ〜あぅ〜」

言った。ネギや楓の試合の後で確かに言った。それを目先の楽しさに心を奪われてしまい、オーラをほとんど使い切ってしまった。
しかもジョイントリングで伝えた忠告を、「うるさい」の一言で切って捨ててしまったのだから、彼が怒るのも当然と言えよう。

「高畑先生と楓が倒れ、神まで捕まってゐる今、頼りになる者が少ないんだ。少しは自重しろ」
「うぅ……」

心底反省してゐるという態度で、刹那は納得したのか、シュンとしてゐる古菲の頭を撫でた。

「あまり心配させるな」
「すまんアル」

己の不注意で本気で怒り、本気で心配してゐるゆえの苦言を受け、素直に謝った。

「医務室近くにお嬢様がいる。早く治してもらって来い」
「わ、わかったアル」

何故か若干顔が古菲はそそくさと医務室へ向かった。

「顔が赤くなるほど無茶をして」

可愛くとも出来の悪い妹を見るような目で、古菲を見送る。しかし彼は一つ気づいてゐない。
今の自分が―――――刹那・♂・桜崎であることを。

古菲にしてみれば、やたら格好いい少年が心配してくれたり頭を撫でたりしたのだから、赤くならないほうがおかしい。
加えて和風メイド服(スカート)を着てゐるのだから、別の意味で赤くならないほうがおかしい。

「…………まぁ、別にどうでもいいがな」

古菲が赤くなろうが、刹那が女装をしてゐようが、真祖様には関係ないことだった。





『引き続き8回戦目を行います。エナ・アスロード選手、田中選手は舞台へ上がってください』

古菲が木乃香が待つ廊下へ向かう途中、朝倉のアナウンスが神社一杯に響いた。
それとほぼ同時にエナが古菲の前に現れた。タイミングからして、どこかで試合を見てゐたのだろう。
古菲は楓の試合のあとから姿を見せなかったクラスメートに、試合中の助言の礼を含めて一声かけようとした。

さっきはありがとう――――そう言いかけたとき、わずか2メートルも離れてゐない距離に近づいた途端、エナの恐ろしいまでの濃密なオーラに当てられて、彼女の喉が詰まった。

鳥肌が立ち、嫌な汗が流れ、体が震える。

「エ……ナ………」

すれ違う瞬間、辛うじて声に出せたのそれだけだった。その先を言おうにも、エナの姿は古菲の先にはない。


楓の試合の最中、彼女はアーネをバケモノと表現した。京都では本物のバケモノと戦った。

『正直ワシは、奴と戦うぐらいなら神鳴流の小娘と戦うほうを選ぶ』

ならばそのバケモノにそう言わしめたエナは一体何になる。


ブルブルと震える体を抱いて、古菲は逃げるようにその場を去った。





アナウンスが響くとジッと控えてゐた田中がズシャズシャと音を立てながら舞台に上がった。少し遅れてエナが試合場に姿を見せる。

遠巻きから見ても不機嫌に見える彼女に話しかけられる猛者はおらず、順調に試合が行われようとしてゐる。

『いかにも出来そうという出で立ちの田中選手に、エナ選手の戦略が期待されます!』

対峙しなくともガタイの差は歴然。裕に3つ周り以上の体格差のせいで、観客は一試合目のようなやらせ的展開を予想し始めた。もしくは脱げることを期待して。

『一試合最後の勝負です。準備はよろしいでしょうか?』

返事は無い。片方は機械で返答が期待できるわけもなく、もう一人は俯いて表情すら見えない。

『双方異議は無いようです。それでは第八回戦――――』

始まりの合図が挙がる瞬間、田中は創造主の命令に従ってリミッターを解除し、初手から一斉射撃を繰り出す準備を整えた。

『――――Fight!』




ガシャ!――――と、朝倉の宣言と共に鳴った音が歓声を止めた。




田中の体は、ロケットパンチを繰り出すために腕を構えようとしてゐる体勢で止まってゐる。同時に口からビームを放つ予定だったようだが、それも今では不可能だ。

なぜなら田中の首はエナの手刀によって胴体から切り離され、宙を舞ってゐる最中だからだ。

その程度の破壊では満足できないエナは、棒立ちしてゐる胴体の中心に両腕を突き刺し、力を込める。合金の骨組みとケーブルは生々しく千切れ、1秒と経たず胴体が真っ二つに裂かれる。

わずか数秒で粗大ゴミになった最先端のロボットの胴体を捨てると、ちょうどエナの足元に田中の頭部が落ちてきた。

「全力………初手…………全……力…」

まだ電気が残ってゐるらしく、最後に入力された命令をひたすら繰り返してゐる。もう少し時間が経てば音声を出すことも出来なくなるだろう。しかし彼女はそんなモノを待つ気がサラサラ無いらしい。

エナは目に障り、そして耳に障る元凶を容赦なく踏み潰した。

シン――――と試合場は静まり返り、鳥の声すら聞こえない。誰も動かない。
そんな中、ただ一人動けるエナは客席の中に紛れてゐるアーネに視線をやる。彼女の視線に怯えて一般人はサッと避け、期してエナとアーネが向かい合う形になった。

エナは親指を立てた拳で首をなぞり、足元の田中を指す。

――――――これはお前だ。

長ったらしい口上も挑発もいらない。たった一つの行動で、エナは伝えるべきことを全て伝えた。

過激なメッセージを受け取ったアーネの、フードで隠れてゐない口がゆっくり動く。読唇術を使わなくとも、彼女の言葉ははっきりと伝わっただろう。




――――――やってみろよ。







ネギま×HUNTER!第40話「助っ人」







「で、何がなんだか分からないうちに一回戦が終わったわけですが……」

男の姿を保ってゐる刹那・♂・桜崎は、まだ戦える仲間を集めて緊急会議を開いた。しかし、やはりと言うべきか、エナは居ない。

「今さっき式から連絡がありました。まもなく助っ人が来るそうです」

それは重畳――――手数が増えたことに対してネギ達が素直に喜んだ。

「合流次第、神がおっしゃった地下水道へ向かってもらうつもりです。しかし、助っ人の実力からして、もう一人は付けておきたいのです」

助っ人涙目。

「そこでネギ先生、アスナさん。この場でどちらが負けるか決めてもらえないでしょうか」
「え、ここで?」
「はい。先の長瀬や古菲のように、独断で試合を行って欲しくないので、今ここで約束してください」

信頼もなにもあったものではない。しかしネギを始め、長瀬と古菲が刹那の指示を無視してしまった結果が、実力的に信用できない助っ人を呼ぶ羽目になった。
それを考えれば、この程度の処置は当然と言ってゐい。

「それじゃあボク――――」
「私が負ける」

ネギの挙手を遮って、アスナが志願した。

「もう賞金がどうのって言ってる場合じゃないし、あの人にはお世話になってるから、少しぐらい恩返ししておきたいの」

主にグリードアイランドのカードのおかげで、食事に修行に勉学(外国語のみ)にと、常識では考えられない恩恵を授かってゐる。学費を出してゐる近衛門へバイトして返すほど律儀な彼女の性格からして、そう考えてもおかしくない。

「ネギ先生、構いませんか?」
「ア、アスナさんが良ければそれで……」

高畑を再起不能にしてしまった負い目から、ネギはこの話題に関して強く出られなかった。

「エヴァンジェリンさん、貴女もここで決めてください」
「敵か、味方か?」

超に茶々丸を貸し、ネギ達を鍛えたりと、蝙蝠のようなことをしてゐる彼女に決断を迫った。

「そうだな………元々興味本位で参加した程度だ。ここらで退散させてもらおう」

結局、彼女は蝙蝠でありつづけるらしい。流石は吸血鬼といったところか。

「あの…マスターは嵩田さんを助けないんですか?」
「何故私がそんなことをしなければならない」
「だって、別荘じゃあんなに仲がよさそうだったのに」
「だからどうした?確かに私は奴等に多くの貸しを作ってゐるが、助けを求めてゐない以上、私が手を出す理由は無い。…………なぁボーヤ。お前は養鶏場の鳥を見て可哀想とか言うタイプだろ」

何を―――と言って反論しようとするネギの首に、細い糸が巻きついた。

「んぐ!?」
「勘違いするなよボーヤ。私は嵩田レンジの友人ではなく、奴等の取引相手に過ぎん」

この場でエヴァはエナと同じコトを言ってのけた。

「それはお前達にも言える。私がここにいるのは超鈴音よりお前達の方がおもしろそうだからだ。お前達を鍛えたのも、奴と互角に戦わせるためだ。これはゲームなんだよ、ボーヤ。ボスを倒すためにレベルを上げるのは当然だろう?」
「どうして…そんなことを!?」
「ボーヤが言ったんじゃないか?強くなりたいとな。これが私のやり方――てゐ!――だぴ!?」

突然、エヴァの頭頂部に衝撃が走った。

「舌噛んだ!舌噛んだ!」
「不様ダナゴ主人」

そのあまりの痛さに、床を転げまわる。おかげでネギを戒めてゐた糸も外れた。

「何をする神楽坂アスナ!」
「いや、うっさかったからなんとなく」
「どこのドS魔人だお前はぁぁぁ!」

エヴァはてゐ!てゐ!と蹴りを繰り出すが、全てハリセンで防がれた。

「ええい、無駄に強くなりおって!」
「へへ〜んだ。これでもネギに一回勝ったもんね〜。エヴァちゃんが手塩に掛けてるネ・ギ・に」
「お前だんだんエナに似てきたな………」

もういい――――と、かなり苛立たしげに服を整え、踵を返す。もうここに用は無いと。

「とにかく、私はこれ以上このイベントには付き合わんし、お前達に頼まれても手を出す気は無い。自ら突っ込んだ首ぐらい自分で面倒を見ろ」

パシン!と襖は閉められた。一方的に話を終わらせられたネギはどうしていいのかわからず、落ち込み俯く。

「大丈夫ですよネギ先生。エヴァンジェリンさんは言うほど邪険ではありません」
「どういうことや」

小太郎が問うと、刹那は彼女の頭を撫でながら、

「私達がゲームのキャラならあの人はプレイヤー。一度しかできないゲームでボスに負けるようなゲーマーがいると思いますか?」
「マゾプレイヤーって言葉を聞いたことがあります」
「そんな言葉はスキマに捨ててしまいましょう!」

ネガティブ思考になったネギに慰めの効果はなかった。








一方その頃







「田中さんの反応速度が80m/s。計測は出来ませんでしたけどエナさんの反応はそれ以上ってことになりますね」
「初速がハヤブサより速いて、どれだけ人の限界超えれば気が済むんだろネこの時代の人間は」

瞬間移動に近い技を連発する奇人変人が後を絶たない大会では、別段珍しくも無い。むしろ注目するべき箇所はその後。

「で、こっちが観測した力量です。バインダレスの骨格がものの一秒、踏み潰したときの圧力は裕に700kg。百貫肥満体のボディプレスより重いってことですね」
「精神的ダメージを期待して、『エナ、デブ疑惑』でも流すカ?」
「まさに脂肪フラグ」
「て言うかネ………」

頬杖をついて、ハカセの報告をやる気なさそうに俯いて聞いてゐた超がプルプルと震える。

「8回戦中半分が秒殺って何ヨ!もう半分も魔法的要素皆無ってどうヨ!」

おかげで魔法の噂を流す映像が一つも撮れてゐない。頭にきた超はバヌンガー!―――と叫んでデスクを乱暴に叩く。

「そう言われましても……。そもそも生粋の魔法使いってネギ先生と高音さんと佐倉愛さんしかいないんですよ?」
「あーーそういえばそうだターーーー!!」

他の魔法使いといえば、拳で語る魔法使い高畑と若干封印中のエヴァしかおらず、期待は出来ない。
そして、その三人の試合は秒殺で終わり、しかも2試合目に進んだのはネギだけ。つまり、ネギからしか魔法的要素を採取できない。
なにせ2試合目は





こうなってゐるからだ。

「しかも残ってるのアクが強い奴ばっかり!」
「やばいですね〜。もしかしたら3試合目は師弟対決と怪獣大決戦が見られるかも」

片や目からビームの嵐。片や龍宮神社崩壊の危機。結局魔法的要素は期待できそうに無い。

「そう言えばヤツはどしタ?」
「出番が来るまで外の監視を…………むむ?どうやら侵入者と対峙してゐるようです。この人は……天ヶ崎千草さんです」
「なんダト?ネギ坊主の仲間が呼んだカ?これ以上イレギュラーが起きては困るというのに」
「もうこれ以上無いってぐらい起きてますけどね〜」
「プギャーーーーーー!!」
「超さーーーーーん!!」










チビ刹那を通して試合場にいる本体の刹那から援助を頼まれた天ヶ崎千草は、仕事を式紙(+身代わり切符)に任せ、ネギ達と合流するべく龍宮神社へ向かった。
認識阻害の術符を使って難なく神社に侵入し、あと少しというところで千草とチビ刹那の前に、アーネが立ちはだかった。

「残念だが、チケットを持ってゐない者は通せない」

元々『境内へ続く一本通路の屋根』という特殊な場所を通る輩が、そんなモノを持ってゐるわけが無い。
それゆえ、アーネは最初からオーラを練った状態で待機してゐた。

それだけで猛者であることが十分に伝わってくる。一試合終わらせた後だというのに疲れをまったく見せてゐないのは、楓が相手でも全力を出してゐない証拠だ。
それでも千草は引くワケにはいかなかった。

「すんまへんが、急いでますので」

ザァッ、と両手に何十枚もの符を構え、辺りに撒き散らす。

「力ずくで行かせてもらいますわ」

オン――――と唱えた瞬間、大量の式猿が具現し、アーネに殺到する。
それを隠れ蓑にして、別の符を取り出し、術を完成させた。

「おふださんおふださん、うちを助けておくれやす。炎符『大文字の一画』」

ピシャ!っと符を地面に貼り付けた瞬間、炎の線がアーネに向かった真っ直ぐ伸びた。

「ウキ〜…(オレ、この式が解けたら結婚するぐわああああ!)」
「ウキー!(サル吉ーーー!)」

もちろんターゲットの周りにいた猿達も巻き添えにして。しかし、その甲斐あって炎をアーネに当てることが出来た。

無論千草はこの程度で倒せるとは思ってゐない。この攻撃はあくまで小手調べであり、炎を防ぐ手を探ることで、どういう技術を持ってゐるのか計るのが目的だ。

「微熱だな。サウナの方がまだ暑い」

彼女の誤算は、アーネが技術を使わないで防げる強者だったということ。腕を組んだまま微動だにしない姿から、まるで巨壁のようなイメージを髣髴させる。

「奴さん、魔法使いどすか?」
「試合でも手の内を出してゐないので判断できませんが、神やエナさんと同じ技術を持ってゐるようです。気をつけてください。ルールを遵守したとはいえ、本気の楓さんが手も足も出せなかったほどです」

その言葉で千草の顔に影が掛かった。

「……………。チビ刹那はん、一つ聞きますが」
「なんでしょう?」
「うちと楓はん、どっちが強そうに見えます?」
「それはもう楓さん…………はっ!?」
「ふふふふ〜…、別に怒ってまへんよ。実力不足は大いに結構、認めてますわ。でもですな〜」

ぐわし!っとチビ刹那の小さい胸倉を器用に掴む。

「楓はんが勝てなかった相手にうちが勝てるわけないじゃろがい!!」
「ち、千草さん、口調が壊れてあぶぶぶぶぶぶ!」

やはりチビ刹那はHだったという。

「ま、ええですわ」

一通りお仕置きを済ませた千草はHことチビ刹那をペっと捨てて、もう一度アーネと対峙する。まだ戦うつもりなのか、袖から紙を一枚だけ取り出した。

「(チビ刹那はん、うちの服の中に隠れぇ)」

そう言ってスッと目を細めた千草の、紙で隠した口元にははっきりと笑みが浮かんでいる。

その余裕がある姿にチビ刹那は感心した。京都では絡め手を多く使ってきた彼女が真正面から戦おうとしてゐる。鍛錬を重ねた自信がそうさせるのだろう。

その彼女の指示を信頼して、チビ刹那は急いで胸ポケットに入った。
それで全ての準備が整い、あとは千草の行動を待つ。格下を相手にしてゐる余裕からか、アーネは攻めようともしない。
おそらくそこを付け入るつもりだろう。

「まだ戦うのか。勝てもしないのによくやる」
「うちの……をなめてもらっちゃ困りますなぁ!」

そう言い放ち、千草は空いてゐるもう片方の手で小猿の札を撒き散らした。
具現した猿達はウキーウキーと鳴きながら、アーネに突撃する。
最初の猿乱舞を甘んじて受けてゐたアーネだったが、同じ手―――というのが癪に触ったのか、今度は気を込めた腕を勢いよく振って、全ての猿を一掃した。

「ウキ〜…(オレ、この式が解けたら離婚するぐわああああ!)」
「ウキー!(サル吉ーーー!)」

舞い散った猿達は元の紙に戻って消えた。その間に千草はアーネとの距離を詰める。
だがこの程度、アーネどころかチビ刹那から見ても戦法と呼べない稚拙なものだ。むしろアーネは、次に何をするのだろうと楽しんでいる節さえある。

彼女が付け入る隙はそこにあった。彼女の狙いは『とにかく安全に近づくこと』だったのだから。

「はい、ごくろーはん」

そう言って千草は、残してゐた一枚の紙を至近距離から投げ、アーネの服に貼り付けた。だがその紙は、式や術が発動するようなものではなかった。

「………なるほど、これがあったな」

貼り付いた紙を剥がし、観察する。ソレには大きく『顔パス回数券』と書かれてゐた。



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No.027  顔パス回数券
入手難度 : B   カード化限度枚数 : 25
どんな場所でもこの券を渡せば入ることが出来る。1000枚入り。
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勝利はなにも敵を倒すことが全てではない。目的と工程は必ずしも一致しない。この2人の場合、入場の有無が目的になる。
わざわざアーネを倒す必要はないのだ。

「だが避戦は弱者のやり方だ。先へ行ったところで、お前にできることがあるのか?」
「弱いからと言って戦えないわけやありまへん。嫌がらせぐらいしてみせますぇ」

ほなさいなら――――千草は策が成功して、満足そうに笑って去った。残されたアーネは、回数券を掌で焼却し、

「嫌がらせができるのはお前だけではないというのに……」

そう呟いて橋の上から消えた。











さて問題。以上の文章中に『てゐ』という文字はいくつあったでしょう。

該当する数を以下のURLの※に半角英数字で入力すると『てゐ』さんのサービス画像が表示されます。

http://www.webrush.net/kthird-3/buramenu/nehu/※※.jpg

見事正解した方は



とのことです。



検索とか使わないようにしましょう。


イラストはRED LINE+の如月要さんから頂きました。⇒HP http://redline.yaekumo.com/